2009-04-10

ウィーンの音が芸文で鳴る。

芸文と親しく略しているのは、愛知県芸術文化センターである。
栄のまんなかに位置し、TV塔を東に、NHKとオアシス21に囲まれた建物といえば、「ああ、あれね」とお気づきになるのではないか。

愛知県芸術劇場大ホールとコンサートホールがあり、オペラやバレエやクラシックコンサートなどが多く行われているので、訪れたひとも少なくないと思う。
(ほかにも美術館やライブラリーなど、かなり“ツカえる”充実した施設!)

隣にある、オアシス21の銀河の広場のうえの公園(空中庭園のような、ふつうの公園のような、不思議なレイアウト)では、写真のようなオブジェがある。

これ、ただのオブジェではない。芸文の入口付近だからか、これ自体がアートというか、ミュージックというか。
時間がくると(いつかは分からない)リンゴンリンゴンと音楽を奏でてくれるのである。
それもよく聞くと、何体かあるオブジェ、一体一体ちがうパートを鳴らしているような…。

そんなオブジェが奏でるBGMを日の暮れに聴き、ライトアップするオアシスを通り抜け、芸文へ向かったのは先週の金曜日。
ウィーン国立歌劇場、ウィーン・フィルのメンバーを中心としたコンサート、その一週間にもわたるツアーの杮落としというか、公演初日であった。

某有名企業が主催するこのコンサートに行くのは今年がはじめてだが、これが想像以上に素晴らしかった。
ウィーン・フィルのメンバーはリラックスした雰囲気で、最高の音楽を奏でてくれる。
その空気をとかすような柔らかい音色の調和に思わずうっとり、美しいウィーン旧市街が思い出された。

そのまちの音楽家は、そのまちを連れてきてくれる。

ソリストの歌声にも聞きほれ、児玉桃さんのピアノに煌めきを感じ、名フィルとの100人を超えるかという壮大なオーケストラに迫力を覚える。

先週から今週にかけて、ウィーン・フィルを中心としたコンサートは全国各地で行われ、今夜くるっとまわって名古屋で公演。
今日は名フィルとの演奏はなく、ウィーン・フィルを中心としたメンバーのみの演奏会らしいが、彼らがここ栄で奏でてくれるのは今ツアーでは最後。帰らないで~と名残惜しい。

企業主催のコンサートではあるが、ぜひ来年もここで素晴らしい音楽を運んでほしい。
名フィルとの、ここでしか作り出せない音楽も聴かせてほしい。
訪れる人々の、感動の表情をみて、そう思う。
ウィーンの音が名古屋を美しく彩ってくれる、素晴らしい夜に、乾杯。

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