新型インフルエンザ対策に、おそまきながらインフルエンザの
予防接種に行った。
そこはいわば町の診療所で、たまたま行ったとき、たくさんの
お年寄りたちが、 陽だまりのなかくつろいでいた。
ニコニコと子どもをかわいがっていたおばあちゃんが、
「わたしの娘時代は戦争で、いちばん損をした世代なんだよ。」
ふと漏らした。
そしてお隣のおばあちゃんと、軍需工場へ勤めていたころの
話をしはじめた。 「そうか、戦争って、まだそれほど昔の話
じゃないんだ。」ということを改めて思う。
その夜、たまたまテレビで東京大空襲のドラマを再編集して
放映していた。
すさまじさに唖然とした。
そのころは、おばあちゃんたちは二十歳くらいだったんだろうな。
たくさんの哀しみは、今の美しい都市のまちなみで洗い流されて
いるようだ。
でも必ず、そのカケラは息づいている。
まちに出ると、そんなことに気づく。
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